小野田グループ

幾何学的位相の効果を利用した固体内電子系や光子系の新機能開拓を目指して

固体内電子の量子性は従来から広く利用されてきましたが、物質設計・微細加工技術の進歩にともない量子効果をより直接的に利用しようという動きが進展しています。例えば、量子論的自由度であり磁性の担い手でもある電子スピンの電子工学的利用を目指したスピントロニクスと呼ばれる分野が発展し、電子波のスピンに依存した位相情報の重要性が高まっています。また、Berry位相または幾何学的位相として知られる量子状態のある特徴がスピン輸送現象に顕著な形で現れることもわかってきました。我々のグループではこれらのことを踏まえ、幾何学的位相を利用した固体内電子系の新機能開拓を目指してシミュレーションなどによる理論研究を行っています。また、その過程で得られた知見の光子系など電子系以外の系への拡張とその応用にも興味を持っています。

Rashba型スピン軌道相互作用をもつ2次元電子系におけるスピンホール効果によるスピン蓄積のシミュレーション例